悩みに向かう気持ちをそらす
悩みと一言でいっても、その内容はひとそれぞれですよね。一概にこれで解決!ということはできないと思いますが、50代女性はどうやって悩みに向き合うとよいでしょうか。
半数以上が持つストレスや悩み
厚生労働省の調査結果を確認すると、50代女性の約6割、二人に一人以上が悩みやストレスを抱えているといいます。
これは平成28年度の『国民生活基礎調査の概況(入院者、熊本県を除いた12歳以上の者)』のうち『日常生活での悩みやストレスの有無』の結果からわかったことで、「ある」が 47.7%、「ない」が 50.7%という結果が出ました。
年齢階級別にみると、30歳代~50歳代は同じくらいの割合でした。30歳代から悩みやストレスを感じる方の割合が増え、50歳代になっても半数以上の方が悩みを抱えているということになります。
50代女性特有の悩みは?
では、具体的に50代女性は、どのようなことが悩みなのでしょうか。
平成31年に発表された経済産業省『予防・健康づくりの意義と課題』の資料がとても参考になります。
それによると、『今後長い人生を生きていくうえでの不安』(2つ以内で解答)という問いに対して、50代前半の女性の70.9%、50代後半では65.9%が『老後の生活資金の確保』に不安を持っているという回答がありました。
つまり、50代女性はにとって一番の悩みは
『老後の生活資金の確保』ということです。
また、65歳以上になっても働いているためには、新しい知識や訓練が必要だと感じ、学び直したいと考えている女性も非常に多い割合になったという調査結果もありました。
その調査結果の詳細は、こちらの資料をご確認いただければと思います。
自分を見つめなおす
これからの自分の暮し方に対する悩みは、今も現役で働いている方であっても、仕事も持っていない方でも、感じる不安ではないかと思います。
ところで、この悩み、不安はどこからくるのでしょうか。
おそらく自分のこれまでにしてきたことにひと段落がつく目途がついてきたことに起因するのでは?と思いました。
その理由は、私が教師として保護者とのかかわりの中で、お母様方がよく言われていた言葉がヒントになっています。
お母様方はよく、
「子供に手がかかって・・・」「子育て中なので・・・」「子どものことが大変で・・・」
そのために自分のことができない、いろいろと手が回らないと思うのですね。
けれど子どもたちも、ある程度自立してくると、母親の出番が少なくなります。
(あれ?私の手助けはもうあまり必要がないみたい・・・)
また仕事場でも、定年が間近であったり、若い世代へと仕事を受け渡すようになってくると、自分の立ち位置を改めていかなければならなくなってきたりすることもあります。
(あれ?もしかすると私はもうすぐ必要がなくなくかも???)
これまで自分が必要とされてきたことを感じていたのに、それが薄れていく。
とくに家族のことを第一に優先してきた女性は、そう感じる気持ちが強いかもしれません。
これからは、社会で必要とされる自分でいたいと思いますよね。
というよりもむしろ、
これからは、自分自身のために働きたいという感じかもしれません。
自分らしい暮らし方をするには、自分で資金調達をしたいですよね。
漠然とした悩み
『老後の生活資金を確保するためにも、継続して働き続けたい』
さらに、そのために
『新しい知識や訓練のインプットが必要』
という悩みは、少し漠然としていますよね?
漠然として、もやもやするから悩みなのかもしれませんが。
かといって、そのままにしておいてよいものではありません。
実は私もそんなモヤモヤを抱えていて、どうしたものかと試行錯誤中です。
やりたいけれど、できそうもないこと
できるけれど、やりたくないこと
頑張ればできるかもしれないこと
今の自分でできること
そんないくつものパターンに当てはめて、今何をすべきかを模索しています。
時々投げやりな気持ちになって、前向きになれない時に私は、本を読むことにしているのですが、自己啓発書のようなものではありません。
『本を読む』
本を読むことのよさは、繰り返して同じページを読み直すことができたり、自分のペースに合わせてゆっくり読んだり、飛ばし読みをしたりできること。
自分にとって都合のように解釈もできます。
いつでも、どこでも読むことができ、自分に合わないと思ったら途中でやめることだってできます。
まさに、自分に都合のよい話相手のようなものです。
50代の悩める女性におすすめの本
私がおすすめしたい本のジャンルは、ノンフィクションの科学やコミック。
科学的根拠に基づいて書かれていると、自分が悩んでいるのは仕方ないんだなあ・・などと妙に納得したりして落ち着きます。
コミックは、ストーリーがきれいなものであれば、純粋にお話を楽しむことができるので、主人公に共感しているうちに、知らず知らず自分が元気になっていたりするのが不思議です。
最近読んだ本の中でおすすめは、大好きな中野信子さんの著書『空気を読む脳』。
私のおすすめポイントは、とにかくデータをもとに解説している点です。
不安になりやすい女性の脳についても、セロトニンの合成能力や脳の一部の構造や機能の話も交えて解説してくれています。
幸福度の感じ方や長寿に関する話、バッシングについてなども『脳』という観点から説得力のある話が書かれていました。
読み進めていくうちに、(こんな私は極々普通かも・・)と思ってしまいました。
他サイトですが、この記事も興味深かったです!
そしてこちらも。
『わかりやすさ』ということは、教える立場でも大切にしてきたので、タイトルを見た瞬間に手に取ってしまいました。なにせ『わかりやすさの罠』ですから・・。
けれど、その罠とは、別に怪しいという意味ではなく『わかりやすいがゆえにわかったつもりになってはいませんか?』ということでした。
見たり、聞いたりして知ったことから、自分なりの意見をもったり、考えたり、試したり。
のほほんとしているだけではなく、もっと頭を使っていきたいなあと思いました。
まとめ
自分の不安や心配事を、素直にそのまま話せる人がいたらしあわせですね。
本を読むことで、『継続して働くこと』や『新しい知識や訓練のインプットする』ことの答えがみつかるというわけではありません。
けれど、本は自分の心に寄り添ってくれたり、気分を変えてくれるものとして、あなたのすぐそばにあります!
そして、気持ちが晴れたことで、自分の中の何かが動くこともあると思うのです。