薬膳はとても身近な料理
薬膳料理の教室第1回目は『漢方と薬膳料理について』のお話です。
漢方薬は医学的理論に基づいて処方される医薬品ですが、漢方薬に使われている『生薬』には、生姜など私たちが普段何気なくいただいている食材が思いのほか多くあります。
今回から5回にわたって『こころとからだの自然教室』では、身近で手に入りやすい食材の『生薬』効果を使って手軽でおいしい薬膳料理をご紹介していきますね。
漢方と漢方薬と薬膳
まずよく混同して使われているのが『漢方』と『漢方薬』です。
漢方の本来の意味は、漢方医学のことで、伝統的診断法で使用する生薬の選別や調合を行い処方することをいい、鍼灸なども含めて漢方といいます。そして、漢方において生薬を2種類以上合わせて処方する薬を漢方薬といいます。ただ、この漢方薬を漢方と呼んでいる場合もよくありますね。その時つかわれている『漢方』が、どちらのことを指しているのかな?といったん疑問を持つことはとても大切なことです。
さらに薬膳とは「食事を薬食同源としてとらえてきた、中国の伝統医学理論に基づく、健康維持、病気の予防、回復などに役立つ美味しい料理」のことです。(出典:全日本薬膳医情報協会https://www.npoany.org/)
漢方は日本の医学?
実は『漢方』は、中医学を基にした日本の伝統医学です。
漢方薬のイメージから、中国医学が『漢方』?と思う方も多いかもしれません。日本ではなんとなくあいまいな『漢方』と『中医学』です。
中医学は、紀元前200年頃に中国最古の医学書『皇帝内経(こうていだいけい)』をもとに体系化されてきた医学です。中国医学が中国から日本に伝わった当初はそのまま受け入れられていました。その後日本人や風土に合わせて改善され、独自の『漢方』として発展してきました。日本の漢方が独自のものとして発展したのは江戸時代になってからです。
薬膳の楽しみ方
薬膳は中国の伝統医学理論に基づいて、健康維持や病気の予防、回復などに役立つ料理ということでしたね。その料理は生薬を使うだけではなく、穀物や野菜、肉、魚といった私たちが日常いただいている食材を使って調理するものです。
とても身近で、知らず知らずのうちにいただいているものも実は『薬膳』だったりするのです。
生薬には、山椒や生姜、紫蘇の葉、そして小麦やスパイスのカルダモンなど、生薬とは気にせずに食しているものがいくつもあります。
今まで何気なくいただいていたものが、体に優しい料理だったとわかると何だかうれしくなりますよね。
次回は普段のカレーを少し意識して手を加えるだけで『薬膳カレー』になるアレンジの仕方をご紹介しますね。
薬膳がわかるおすすめの本
2020年 こころとからだの自然教室
『薬膳教室』の内容
第1回:漢方と薬膳料理について
第2回:アレンジ簡単!薬膳カレー
第3回:生姜と葱のスープ
第4回:からだを整えるサラダ
第5回:フルーツを使った薬膳スイーツ