徳川家康から学ぶこと
「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。・・」徳川家康の御遺訓をご存じの方は多いでしょう。現状に不安を感じるとき、先人の教えは心に響き、力となって勇気を与えてくれます。
徳川家康の御遺訓
「人の一生は重荷を負いて遠き道をゆくが如し いそぐべからず
不自由を常とおもへば不足なし
こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし
堪忍は無事長久の基 いかりは敵とおもへ
勝事ばかりを知りてまくる事をしらざれば害其身にいたる
おのれを責めて人をせむるな
及ばざるは過ぎたるよりまされり」
戦乱の世に終止符を打ち、長きにわたって日本に泰平の世の礎を築いた人物、徳川家康。
家康は1542年に三河岡崎城で生誕しました。没後の葬儀は増上寺にて、遺体は久能山に葬り、一周忌後、関八州の鎮守となるため日光山に小堂を建て勧請するよう家臣に言い残すというかなり変わった武将だったようです。
そんな家康公の御遺命を2代将軍秀忠が命じて久能山東照宮が創建されました。この御遺訓はその久能山東照宮(『本光国師日記』参照)のホームページで解説されているものです。
ちなみに、この御遺訓が本当に家康が語ったものなのかは諸説あるようですが、とりあえず、そこのところはここでは置いておきましょう。
いつの時代も同じ
「不自由を常とおもへば不足なし
こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし
堪忍は無事長久の基 いかりは敵とおもへ」
「不自由なことが当たり前と思えば、足らないことに不満はないよね。
希望がみえないときは、困っていたときを思い出してみよう。
我慢することが無事に平穏な暮らしを続けていく秘訣だよ」
正解はあるかもしれませんが、ここでは正解はあって、ないようなものです。
格言・名言は正しい解釈がありますが、それは正解が必要な場面だけ。
ここでは言葉を自分がどのように受け止め、どのように解釈し、自分の心にどう伝えるか、それこそが大切です。
言葉の力
言霊(ことだま)といわれるように、言葉には人を動かす力がありますね。そういった意味で、発する言葉は、命を持っているともいえるので慎重に選ぶべきものであると思います。
けれど、そのときの感情で言ってしまった本音や、知らずに語ってしまった悪意のない言葉を非難するのは、同じことをしてしまうこともある同じ人として、私には責められるものではありません。
このところ、たくさんの情報があふれ、何が本当で何を信じてよいのかわからず、また不安の気持ちからか怒りの矛先がいろいろなところに向いたりしています。しかし誰かを非難することで物事は解決するわけでもありません。
こういうときは、先人の言葉などを振り返るのも楽しい時間ではないかと思う私は、皆さんと『徳川家康』について学んでいきたいと思っています。今回は『家康の御遺訓』についてでした。
次回社会科は『日光東照宮』です。
算数科もよかったらのぞいてみてください。
こちらのサイトでコラムも書いています。
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