あなたが最後に絵本を手に取ったのはいつ頃ですか?
自分が読むために、絵本のページを開いたことはありますか?
絵本は誰のためにある?
絵本は誰のためにあるのか?といえば、そのこたえは簡単。
絵本はみんなのためにあるものです。
誰が読んでも、いつ読んでもかまわないものです。
けれど、絵本は『子ども向け』、とくに小さい子どものために描かれているという印象が強いものです。
あなたも、きっとお子さんが小さい頃に、読んであげたことがあるかもしれません。
あるいは、自分が大好きだった絵本があるのかもしれません。
子どもの選ぶ絵本
私の個人的な考えですが、子どもが読んでほしいと思う絵本と、おとなが読んであげたいと思う絵本には、少しギャップがあると思っています。
その理由を少しお話させてください。
教師をしていた時のことです。
私は、朝の時間や給食前などを利用して、子どもたちによく絵本を読んであげました。
最初のうちは、私が絵本を選んでいましたが、次第に子どもたちからリクエストがくるようになりました。
「つぎは『からすのパンやさん』にしてね」
「今度は『めっきらもっきらどーんどん』がいい!」
自分の選んでいた絵本とは、少し違ったジャンルの絵本を子どもたちはリクエストしてきました。
どうやら、子どもたちは、
おもしろい話、楽しい話、おもわず笑ってしまうシーンがある絵本、ちょっぴりこわい話、ドキドキワクワクの話、そういったものが大好きなようです。
とくに人気だったのは、
初版1973年のからすのパンやさんシリーズ。
そして、
『バムとケロのにちようび』などのバムケロシリーズ
ずっと人気の『11ぴきのねこ』からはじまる11匹ぴきのねこシリーズ
毎回楽しい『どろんこおそうじ』などのばばばーちゃんシリーズ
登場する動物や人物のすることや言うことに、ホッとしたり、笑ったり。
そして何よりも自分がやってみたいと思うお話が大好きなんだと感じたのです。
(へえ・・。子どもってこういう絵本がすきなんだ!)
おとなが選ぶ絵本
では、おとなの私が先生として絵本を選ぶと、どんな絵本を選ぶでしょうか。
たとえば、大好きなシリーズ
それからキュンとするこちらのシリーズ。
教科書にも載ったこの絵本は、ちょっと悲しいお話。
子どもの頃読んだ絵本の意味が、今しみじみとわかる絵本たち。
などなど。
(そっか。おとなって何か伝えたがっているんだ!)
テーマがしっかりしている絵本
おとなは絵本に『意味』を求めるようです。
読んで何かを感じとってほしいと、そこに想いをのせるんですね。
この本を読んであげたら、こういう気持ちを感じてくれるかな?
優しさを感じとってほしいとか、
思いやりについて考えてほしいとか、
意図的なねらいを考えて選んでしまう傾向にあるのかもしれません。
子どもの直感的というか、素直でストレートな選び方とずいぶん違っているように感じます。
まとめ
おとなが絵本を選ぶ基準は、自分の想いや願いが伝わるかどうか。
その絵本が自分からのメッセージになっているといえるかもしれません。
短い文章とイラストで、自分の代わりになって相手に届ける絵本。
さて。
今、あなたが自分に絵本を贈るとしたら、どんな絵本を選びますか?