北鎌倉から鎌倉に向かう途中にある『円応寺』というお寺には、『笑い閻魔』と呼ばれる心優しい閻魔様が祀られているお寺があります。
北鎌倉といえば
北鎌倉といえば円覚寺。そして建長寺ですよね。
円覚寺の開山は1282年、鎌倉時代に北条時宗によるもので、鎌倉の土地特有の谷戸が侵食されてできた谷に沿って建てられています。
北鎌倉駅を降りると左手すぐに見える三門から仏殿に向かう景色は、どんな季節に訪れても美しいと感じる円覚寺。
その円覚寺から鎌倉方面に向かうと、山沿いに建長寺が見えてきます。
建長寺は日本で初めての臨済禅だけを修行する専門道場でした。
開山は1246年で蘭渓道隆禅師。
神奈川県に住む人には通称鎌学、男子校の私立鎌倉学園のイメージが強いかもしれません。
急階段を上ったところにある寺
円覚寺も建長寺も、見どころがたくさんあるので、ゆっくり見学をしているとそれだけで、北鎌倉を十分に満喫した気分になってしまいますが、ぜひ訪れてほしいお寺が建長寺のすぐ近くにあるのです。
それが『円応寺』です。
円応寺は正式には『圓應寺』と記すようですね。
建長寺の入り口からすぐ近くなのですが、道路を挟んで反対側にあり、急な階段の上にあるため、わかりにくいせいか、訪れる方は少なめ。
けれどこんな感じの立派な閻魔様に出迎えてもらうことができます。
円応寺の縁起
円応寺は、閻魔大王様がご本尊。1250年、智覚禅師によって創建されたお寺です。
円応寺の閻魔堂には、亡者が冥界で出会うとされる『十王』が祀られ、決して広いとはいえないお堂にもかかわらず、ものすごい迫力を感じます。
喝を入れられているように見えないでもないのですが・・・、実は笑っているようにみえるそうです。
閻魔様が笑っている?なぜ?
と思ったら、その理由がなかなかびっくり!
なんとこの閻魔様は『運慶』によって彫像されたものであると言い伝えられているそうで、運慶は亡くなって閻魔大王の前での裁きの時、地獄へ落ちるべき者であるが、我が姿を彫像し人々をよき道へ導くのであれば生き返すといわれて、生き返ったため、運慶が笑いながら彫像したので、閻魔大王のお顔が笑顔になったのだそう。
閻魔大王は慈悲深い
幼少の頃、おじいちゃんやおばあちゃんに、
「悪いことをしたら、地獄に落ちて閻魔様に舌を抜かれる」
というような話を聞かされた方にとって、そのままのイメージでいくと、閻魔様はとても怖いんだと思っているかもしれませんが実はそうではありません。
その理由のひとつが、閻魔様は、山賊から赤ちゃんを守るために飲み込んで匿り、その赤ちゃんはその後無事に成長できたというお話から、『子喰い閻魔』『子育て閻魔』とも呼ばれていること。
そして、
閻魔大王は地蔵菩薩の同一存在、つまり地蔵菩薩の化身で人々を救いたいと願っていること。前生で悪いことをしてしまい地獄で苦しんでいる人でも、自分の罪を認めて懺悔すれば、お地蔵様に姿を変えて地獄から救ってくれるそうです。
なんとも優しい閻魔様です。
信じるか信じないか
閻魔様のほかに祀られている『十王』。それぞれに役割があります。
どのお役目もなるほど・・と思い、自分の戒めになりますが、冷静に知恵を総動員すると、???と感じることもあったりします。
古くからの言い伝えや教えの中には、現在に照らし合わせるとつじつまが合わないことがあることもありますが・・・。
そこを信じるか信じないか、どうとらえるかは自分次第。というよりもむしろ、信じたいなら信じればいいということです。
自分を戒めるために・・、とか
自分を許すために・・、とか
自分が幸せになる方に捉えて、心を落ち着かせることが何よりも大切ですよね。
お寺に行って、閻魔様にお会いして、心がモヤモヤしてしまったり、悲しくなったり、不安になったら、何の意味もありません。
まとめ
50代女性はひとりで神社仏閣にお出かけしたら、自分と向き合いいろいろなことを考えるかもしれません。
そのときに、悲しくなったり、不安になったりと嫌な気持ちになってしまったら、お出かけの意味も半減。
神社仏閣には、戒めの教えもあると思いますが、そこに注視するのではなく、幸せな気持ちになる方に自分の心を寄り添わせたいものです。
お天気のよい日は、気持ちも明るくなるものです。
寒くても陽ざしが感じられる日にぜひお出かけください!
UV対策は秋冬でも必須ですが、鎌倉散策、とくに北鎌倉から鎌倉への道は歩道が狭いです。
また平日でも小町通は人がいっぱい。
そのため日傘は迷惑。帽子をお忘れなくです。